とけてながれて【完】
「神様のせいじゃ、ないのに」
私が臆病なだけなのに
弱虫な私
馬鹿だな
この想いだけでも言えたらきっと
スッキリする
「あー神様は悪くないけど!神様の馬鹿!いじわる!」
「ふふふ」
後ろから微かな笑い声がして振り返ると
線の細い美しい女の子が立っていた
「ごめんなさい。つい、自分に似ているなって思って…」
「あ、いえ…私に似てる?」
「ええ、神様を罵倒するなんて私くらいだと思っていたから」
え、っと驚愕に目を見開くと
またふふふ、と笑う綺麗な人
「あの…お名前聞いてもいいですか?」
普段は自分から人に、ましてや女の人に関わろうとしない私が
この人には興味があった