とけてながれて【完】


***


「やっと一区切りついた、かな?」

箒片手に広い庭を見渡してみる
掃きむらはないか…


ふと目に留まる門の横の木のあたり


あそこ、掃いてないような…


少し離れた木に向かってゆっくりと歩いて行く
歩いている途中に少し違和感を感じるが気にせず向かう


近くまで来てやっとその違和感に気がつく


…人、なのかな?


そこには使用人でもない、スーツ姿の背の高い
真っ黒な髪の男の人が立っている


不審者…?いや、確認しないことには相手に失礼だ


ゆっくり、ゆっくり


音を立てない様に近づいていく


不意にその男の人がこちらを振り向く


その顔をみて驚愕する


その男の人は…


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