とけてながれて【完】


***


昔の記憶に耽っていると、
お兄ちゃんが二階から降りてきた



「おはよう」



声をかけると、
真っ黒で綺麗な瞳をこちらに向けて



「おはよう」



と笑う


それがどうしようもなく、
抱きしめたくなったのを


ぐっ、とこらえる


我ながらすごいと思う


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