愛をあなたに…

こいつが何をしたかといえば、

そう、簡単に言えば私の人生を狂わせた、のである。

人生なんて大袈裟、と言われるかもしれない。

でも、私にとってはそのくらいには重要なことだった。

「なにぼーっとしてるの？」

「あ、茉菜…ううん、ちょっと考え事。」

「また、中村のことかんがえてたんでしょ？」

「…なんでわかっちゃうかなぁ？」

茉菜は、高校に入ってできた親友だ。

茉菜には、考えていることをピタリと言い当てられてしまう。

俊のことを考えていたことくらい、お見通しというわけだ。

「…忘れちゃえば楽だって何度も言ってるのに。」

「そうなんだけどね…忘れられないとゆーか、忘れたくないんだよね…」