俺様ヤンキーに愛されて。~third~
華に連れられて雅ちゃんがいる方と反対の扉へと近づいていく。
何故か身体中が重くて一歩進むたびに倒れそうになる。
そんな時、教室の雑音が一瞬にして聞こえなくなった。
「…………え?」
突然の事に頭がまわらなくなり周りを見渡す。
見えるのはいつもの風景。
でも、声が音が全く聞こえない。
ーーあたしに届くのは
「みあちゃん 逃げないでよ」
ーー雅ちゃんの声だけ。
扉へと歩いていたあたしの身体は固まった。
あたしの手を引いて前を歩いていた華は後ろを振り向く。
華が振り返るのと同時にあたしは雅ちゃんを見た。