俺様ヤンキーに愛されて。~third~
「………絶対…渡さない」
あたしと目を合わせながらそう呟くと、教室を出て行く雅ちゃん。
雅ちゃんの後ろ姿から…目が、離せない。
雅ちゃんの姿が見えなくなると、あたしの足は震えて立っていられなくなりヘナヘナと床に座り込んだ。
そんなあたしを心配するようにしゃがみ込む華。
「………あたし…弱いね……」
自分の口から聞こえる声があまりにも震えていて、少し笑えてくる。
雅ちゃんが怖いっていう現実も。
白金があたしを忘れているっていう現実も。
全部が嘘みたいで。
全てのことに怯えてる自分が嫌になる。
「みあは弱くない…弱くないよ。」
あたしにそう話す華の声も震えていて……。
あたしは涙が溢れ落ちるのを止めることが出来なかった。
白金………あたし…辛いよ。