俺様ヤンキーに愛されて。~third~
素早い動きに驚いている暇もなく、雅ちゃんはいつの間にかあたしの隣をすり抜けて行く。
数秒後には、最初の得点が決まっていて………。
悔しがっているクラスメイトを横目で見ながらあたしが思い出していたのは、さっきの「負けないでね」という雅ちゃんの言葉。
私のチームの攻撃から始まっても、当たり前のようにボールは雅ちゃんの手の中に吸い込まれていく。
クラスメイトが必死な顔をして雅ちゃんの周りを囲むけど、雅ちゃんは涼しい顔をしてすり抜けて行く。
そんな光景をあたしは、少し離れた所でジッと見ていた。
すると、そんなあたしに突然聞こえた雅ちゃんの声
「きゃあ……!!」
声のした方を見ると、ボールを落としてしまったのか慌てた様子でボールと雅ちゃんがあたしの方へと向かってくる。