俺様ヤンキーに愛されて。~third~
FROM白金涼26
球技大会をするからと、体育館に出て数分。
気付くと大勢の女が俺と猛の周りを囲んでいた。
甘い香りと、高い声が、俺をイライラさせる。
「白金くんジャージ姿でもカッコいい〜。写真撮ろう〜?」
ネトネトした話し方をする女の声を無視して、猛へと視線を動かす。
「………猛……お前…いつもこういう風に囲まれたらどんな風に追い払ってんだ?」
「追い払うって(笑)
俺は…「仕事があるので?」って嘘ついて逃げるけど?」
「仕事があるので…」って、今の状況じゃ使えねえだろ……。
「……俺はこのメガネと長い前髪のおかげで、ほとんどバレねえけどな」
………そうだな。
猛は女達にばれないように毎日変装してる。
俺も…メガネとかかけて変装した方がいいのか?
でも、モデルをしたのは1回だけなのに……変装なんてバカみてえだよな…。
俺が考え事をしているとそれを割って聞こえる声。
「白金く〜ん。今日の放課後空いてる〜?」
「うるせえ。黙ってろ。」
ほとんどの女には黙って無視するけれど、俺の話に割って入ったり…今みたいに考え事をしてる時に話しかけてきた女には酷い言葉を投げつける。