俺様ヤンキーに愛されて。~third~
何なんだこの気持ちは。
俺は、一体………
ーーーーー!!
そんな事を考えていると、膝の上で寝ている佐々野みあの身体が動いた。
驚いて視線を前から彼女の顔に移すと、閉じていた瞳がゆっくりと開く。
長いまつ毛が、ふわっと揺れた。
「……………?」
まだ意識がハッキリしないのかボーッとしたまま俺の顔を見続ける佐々野みあ。
あんな事があったんだ。混乱して当然だ。
状況を把握するためか視線がキョロキョロと動く。
俺の髪の毛を見て、
顔を見て、
目を見て、止まる。
「…………………っ!!!??」
全てを把握した佐々野みあの目が大きく開いた。
「………大丈夫か?」
俺は驚いた様子の佐々野みあの顔を覗き込み続けながらそう問いかける。
そういえば電車の中で勢いよく倒れたけど、どこも打ち付けてねえかな。
痛いところは無えか?
佐々野みあの身体を見れる範囲でくまなく確認してみるけど、痣になっている所は無さそうだ。
俺はホッとして胸を撫で下ろす。
よかった………けど、肝心の本人からの返答が無い。
そう思い視線を向けると
佐々野みあは口をパクパクさせながら驚いた表情を俺に向けていた。
コイツどんだけ驚いてんだよ…。
黙って驚いてる彼女を見つめていると
時間が経つと口の動きがゆっくりになり
への字に歪んだ。
大きく開いた目も少しずつ閉じてきて瞳が潤んでくる。
…え?
コイツ泣い………
そう思った時にはもう遅く
佐々野みあの瞳からは涙がこぼれ落ちた。