俺様ヤンキーに愛されて。~third~
「沢山…酷いこと言って……悪かった……」
とりあえず謝らねえと。
一生許さないと言われても仕方ない。
ずっと恨まれても仕方ない。
それだけの言葉を俺はコイツにぶつけた。
どんな言葉が返ってきても文句は言えねえ。
そう思いながら俺は佐々野みあからの返答に身構えた。
「…え?」
聞こえてきた声は予想外な声色。
……何?どういう心境だ?
怒ってるのか?悲しんでるのか?
どういう事か分からず、佐々野みあの顔をじっと見つめると一瞬切なそうな表情をした。
ーーーチクッ
今の、表情は。
きっと俺が言った言葉を思い出したんだ。
俺が投げかけた最低な言葉達を。
ごめん。ごめんな。
俺は自分の不甲斐なさに佐々野みあを抱きしめる強さが弱まる。
ーーーギュッ
…………え?
俺の腕の力が弱まるのと同時に俺を抱きしめる佐々野みあの力が強くなった。
何で…。
佐々野みあは俺を抱きしめるだけじゃなく言葉を続ける
「謝らなくて…いいよ。
今…こうしてくれてるだけで……
あたし…幸せだから……」
なんで……
なんでなんだよ………
佐々野みあの言葉は続く。
「守ってくれて…
助けてくれて….
ありがとう。白金。」
何でお前は………
そこまで俺を想ってくれるんだ。
こんな俺に優しくしてくれるんだ。
俺はお前を何一つ守れないのに、
俺ばかりお前に守られて………
「……………っ…!」
想いが溢れて言葉にならない。
佐々野みあを強く、大切にギュッと抱きしめた。
近くに感じる佐々野みあの体温が心地良い。
俺だって……
「………守りたいんだ……」