oneself 後編
結局、この前と同じ居酒屋にやって来た。
翼はビールを、あたしはレモン酎ハイを頼む。
何だか、飲みたい気分だった。
「お疲れ~」
グラスがカチンとぶつかり合う音を聞いてすぐに、翼は興奮気味に口を開いた。
「今日来てた新しい女の子、絶対枕だよ!」
枕?
またしても聞き慣れない言葉に、あたしはキョトンとして翼を見つめた。
翼はそんなあたしの視線に気付き、説明し始める。
枕営業。
枕をともにする、つまり客と、体の関係を持つ事。
色恋営業。
色仕掛けの営業、客に恋愛感情があると思わす事。
「へぇ~」
あたしは驚きの声を上げながら、話を続ける翼に、耳を傾けた。
あたしがちょうど、翼の隣の席に座っているあの子を見ていた時。
やけに密着して座っているな、とは思っていた。
その時、聞こえてきた会話は…
客が泊まっているホテルに、この後、彼女が行くという約束だった。
あの場で、彼女に場内指名を入れる事と引き換えに。
「枕は駄目だよね」
そう言って、グイっとビールを喉の奥に流し込んだ翼は、あたしの顔を見つめて言った。
「でも、色はかけないと、客は引っ張れないよ」
翼はビールを、あたしはレモン酎ハイを頼む。
何だか、飲みたい気分だった。
「お疲れ~」
グラスがカチンとぶつかり合う音を聞いてすぐに、翼は興奮気味に口を開いた。
「今日来てた新しい女の子、絶対枕だよ!」
枕?
またしても聞き慣れない言葉に、あたしはキョトンとして翼を見つめた。
翼はそんなあたしの視線に気付き、説明し始める。
枕営業。
枕をともにする、つまり客と、体の関係を持つ事。
色恋営業。
色仕掛けの営業、客に恋愛感情があると思わす事。
「へぇ~」
あたしは驚きの声を上げながら、話を続ける翼に、耳を傾けた。
あたしがちょうど、翼の隣の席に座っているあの子を見ていた時。
やけに密着して座っているな、とは思っていた。
その時、聞こえてきた会話は…
客が泊まっているホテルに、この後、彼女が行くという約束だった。
あの場で、彼女に場内指名を入れる事と引き換えに。
「枕は駄目だよね」
そう言って、グイっとビールを喉の奥に流し込んだ翼は、あたしの顔を見つめて言った。
「でも、色はかけないと、客は引っ張れないよ」