oneself 後編
明らかに様子の違うあたしに、哲平が何も感じないはずはなくて。
「だから嫌やったのに…」
溜息混じりにそう呟いた哲平は、あたしの気持ちを全て見透かしていたのだろう。
そうだよね。
勝手にやって来て。
勝手に拗ねられて。
たまったもんじゃないよね。
でも、もう後戻りは出来なくて。
この先、あたしはこんなにも苦しくて悲しいのに、またこの店に来るような気がした。
不安な気持ちに、蓋をする事が出来るなら。
見なくてもいいものは、見ないで済むのなら。
二人でいる時だけの、哲平を信じられるなら。
きっとお互いに、こんな風にはならなかった。
ホストになった哲平。
キャバ嬢になったあたし。
もう、あの頃とは違うんだよ…
「だから嫌やったのに…」
溜息混じりにそう呟いた哲平は、あたしの気持ちを全て見透かしていたのだろう。
そうだよね。
勝手にやって来て。
勝手に拗ねられて。
たまったもんじゃないよね。
でも、もう後戻りは出来なくて。
この先、あたしはこんなにも苦しくて悲しいのに、またこの店に来るような気がした。
不安な気持ちに、蓋をする事が出来るなら。
見なくてもいいものは、見ないで済むのなら。
二人でいる時だけの、哲平を信じられるなら。
きっとお互いに、こんな風にはならなかった。
ホストになった哲平。
キャバ嬢になったあたし。
もう、あの頃とは違うんだよ…