oneself 後編
哲平と新人の子と3人になった。
哲平を尊敬しているという新人の子は、ヒカルといった。
無邪気に話すヒカル。
悪気はないだろうし、彼はあたし達の関係を知らないだろう。
でもヒカルの話に、あたしの心の中に陰りが出来ていく。
ヒカルの話す内容は、哲平から聞いていない事ばかりだったから。
哲平がホストを始めて2カ月半。
哲平なら、それなりに指名もあるだろうとは思っていた。
以前コウキさんも、新人の中では1番だと言っていた。
でも、それはあたしの想像以上だった。
先月の売上で、哲平は惜しくもナンバー6で、ナンバー5内に入れなかった事を知った。
現在、不動のナンバー1は聖夜さん。
コウキさんも、ナンバー2だそうだ。
哲平は、彼らと比べると売上の差はすごくあるし、まだまだだと言った。
その顔は、すごく真剣で。
哲平は本気で頑張っているんだと、改めて思った。
そしてヒカルは、「そんなに彼女がいっぱいいると、営業も大変ですよね」と、笑いながら言った。
きっと彼は、冗談のつもりだったと思う。
でもその瞬間、哲平の顔が引きつるのが分かった。
「俺は色営業じゃないよ」
哲平はすかさずそう言って、ヒカルに軽くデコピンをした。
哲平を尊敬しているという新人の子は、ヒカルといった。
無邪気に話すヒカル。
悪気はないだろうし、彼はあたし達の関係を知らないだろう。
でもヒカルの話に、あたしの心の中に陰りが出来ていく。
ヒカルの話す内容は、哲平から聞いていない事ばかりだったから。
哲平がホストを始めて2カ月半。
哲平なら、それなりに指名もあるだろうとは思っていた。
以前コウキさんも、新人の中では1番だと言っていた。
でも、それはあたしの想像以上だった。
先月の売上で、哲平は惜しくもナンバー6で、ナンバー5内に入れなかった事を知った。
現在、不動のナンバー1は聖夜さん。
コウキさんも、ナンバー2だそうだ。
哲平は、彼らと比べると売上の差はすごくあるし、まだまだだと言った。
その顔は、すごく真剣で。
哲平は本気で頑張っているんだと、改めて思った。
そしてヒカルは、「そんなに彼女がいっぱいいると、営業も大変ですよね」と、笑いながら言った。
きっと彼は、冗談のつもりだったと思う。
でもその瞬間、哲平の顔が引きつるのが分かった。
「俺は色営業じゃないよ」
哲平はすかさずそう言って、ヒカルに軽くデコピンをした。