oneself 後編
哲平の掃除とミーティングが終わるのを待って、あたし達はミナミの街をブラブラと歩いた。
9月の終わりといっても、まだまだ厳しい日差しが降り注いで来る。
あたしは掌でパタパタと顔をあおぎながら、隣を歩く哲平の横顔を見つめていた。
いつ頃からか、あたしは哲平と外を歩けるようになった。
お店に行くようになって、言い訳が出来るようになったから。
軽く腹ごしらえをし、あたし達はカラオケ屋に入った。
前を通った時、いきなり哲平が行きたいと言い出したから。
哲平の家へ行くものだと思っていたあたしは、少し驚いた顔で哲平を見た。
そんなあたしに、「練習したい曲があるから」と、哲平は言った。
部屋に入り、ドリンクを注文する。
良く考えてみれば、カラオケなんて久しぶりかも知れない。
自分のお店でも、哲平のお店でも、あたしは進んでマイクを握る方ではない。
気心しれた人の前でないと、恥ずかしくなってしまうのだ。
そう思うと急にテンションが上がり、あたしは曲を探し出した。
バックで流れている音楽が鳴り止み、哲平が入れた曲の前奏が流れ出す。
あたしはふと顔を上げ、モニターに目をやった。
『マタアイマショウ』
その曲は知っているけれど、哲平が歌うのを聞くのは、初めてだった。
最初のワンフレーズを聞いて、あたしの曲を探す手が止まった。
9月の終わりといっても、まだまだ厳しい日差しが降り注いで来る。
あたしは掌でパタパタと顔をあおぎながら、隣を歩く哲平の横顔を見つめていた。
いつ頃からか、あたしは哲平と外を歩けるようになった。
お店に行くようになって、言い訳が出来るようになったから。
軽く腹ごしらえをし、あたし達はカラオケ屋に入った。
前を通った時、いきなり哲平が行きたいと言い出したから。
哲平の家へ行くものだと思っていたあたしは、少し驚いた顔で哲平を見た。
そんなあたしに、「練習したい曲があるから」と、哲平は言った。
部屋に入り、ドリンクを注文する。
良く考えてみれば、カラオケなんて久しぶりかも知れない。
自分のお店でも、哲平のお店でも、あたしは進んでマイクを握る方ではない。
気心しれた人の前でないと、恥ずかしくなってしまうのだ。
そう思うと急にテンションが上がり、あたしは曲を探し出した。
バックで流れている音楽が鳴り止み、哲平が入れた曲の前奏が流れ出す。
あたしはふと顔を上げ、モニターに目をやった。
『マタアイマショウ』
その曲は知っているけれど、哲平が歌うのを聞くのは、初めてだった。
最初のワンフレーズを聞いて、あたしの曲を探す手が止まった。