oneself 後編
会場に到着すると、もうかなりの人が集まっていた。


幸子に、「もう着いてる?」と、メールを送る。


昨日の今日。


幸子は大丈夫だろうか。


すぐに返って来た返事には、「少し遅れる」と、あった。


木部ちゃんとバスケ部仲間を探し、席を確保する。


すぐ隣のテーブルには、サッカー部を中心としたメンバーが座っていた。


哲平の姿はまだ見当たらなかった。


間もなくして、小さな壇上のような所に一人の男子が上がり、挨拶を始めた。


料理はバイキング形式で、お酒は一切なしだと断る彼に、あちこちからブーイングが起こる。


当然だ、あたし達は未成年で、先生方も数人参加しているのだから。


その壇上に一番近い席に座る松山先生は、昔よりも一段と綺麗になっていた。


幸せそうな笑顔がまぶしかった。


彼が話し続ける中、お店のスタッフがみんなのグラスに飲み物を注ぐ。


ようやく準備が整うと、彼は大きな声で叫んだ。


「乾杯!」


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