oneself 後編
「嘘〜、あの人はまだまだ辞めないと思ってたよ〜」
ビールグラスを片手に、翼は目を大きく見開いた。
昔はしょっちゅう来ていたこの居酒屋で、3カ月ぶりの再開だった。
あの日会ったのを最後に、連絡さえも途絶えていたのに。
帰り道に偶然出会った翼が、いきなり飲みに行こうと誘ってきたのだ。
「何でなんだろうね。あの人ってプライベート謎だしね」
そう言って、ヒナタさんの事を話す翼は、でもさほど興味はなさげに、マグロの刺身を口にほおりこんだ。
「お金は落ち着いたん?」
そんな行動を目で追いながら、そう尋ねたあたしに、翼は、「全然」と、ヘラヘラと笑った。
聞けば翼はもう学校を退学し、今は風俗の仕事1本で生活しているという。
何だか翼変わったな…
そんな一大事をあっけらかんと話す翼に、そう思わずにはいられなかった。
仕事の愚痴を言いながらも、でも毎日数万円は稼いでいると自慢げに話す。
そんなに稼いでいてもお金が落ち着く事がないのは、未だハル君に使っているからだろう。
きっと翼は、今の状況に慣れちゃったんだ…
そう思うと、少し淋しくて。
でも、仕方がないとも思った。
ビールグラスを片手に、翼は目を大きく見開いた。
昔はしょっちゅう来ていたこの居酒屋で、3カ月ぶりの再開だった。
あの日会ったのを最後に、連絡さえも途絶えていたのに。
帰り道に偶然出会った翼が、いきなり飲みに行こうと誘ってきたのだ。
「何でなんだろうね。あの人ってプライベート謎だしね」
そう言って、ヒナタさんの事を話す翼は、でもさほど興味はなさげに、マグロの刺身を口にほおりこんだ。
「お金は落ち着いたん?」
そんな行動を目で追いながら、そう尋ねたあたしに、翼は、「全然」と、ヘラヘラと笑った。
聞けば翼はもう学校を退学し、今は風俗の仕事1本で生活しているという。
何だか翼変わったな…
そんな一大事をあっけらかんと話す翼に、そう思わずにはいられなかった。
仕事の愚痴を言いながらも、でも毎日数万円は稼いでいると自慢げに話す。
そんなに稼いでいてもお金が落ち着く事がないのは、未だハル君に使っているからだろう。
きっと翼は、今の状況に慣れちゃったんだ…
そう思うと、少し淋しくて。
でも、仕方がないとも思った。