oneself 後編
時刻は午前2時過ぎ。


予定では今頃、哲平と過ごしているはずだった。


施設介護実習の2週間の間は、バイトはもちろん、哲平と会うのも控えていた。


今日は2週間ぶりに、バイト終わりにご飯を食べに行く約束をしていた。


でも、バイトを終えて連絡をしたあたしに、哲平は急用が入ったと言った。


もっと早くに連絡をくれれば、終電で帰る事も出来たのに。


仕方なく、漫画喫茶にでも行って時間を潰そうと思ったところで、翼と出会ったのだ。


そして、またしても時間を持て余してしまったあたしは、漫画喫茶で2部の営業が始まるのを待つ事にした。




「はぁ…」


持ってきた最新号の雑誌を読み終え、パソコン画面の時計に目をやる。


”3:29”


2部の営業まで、後1時間半もある。


何か漫画を探しに行こうかとも思ったが、部屋を出るのが面倒くさくて、あたしは軽く伸びをすると、マウスを手に取った。


その瞬間、脳裏にあの黒い画面が浮かんだ。


”関西ホスト 爆弾サイト”


「哲平君の情報もあるかもよ?」


同時に、翼の言葉も。


どんな事が書かれているんだろう?


気付けば…


あたしは、そのワードを打ち込んでいた。


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