oneself 後編
ハァハァとあがる息。


ようやく二人に追いついた頃。


辺りを見渡せば、そこはホテル街だった。


間違いなく、哲平とあの客だ。


見間違いかも知れない…なんて。


そんな期待はいとも簡単に崩れていった。


でも、中に入るなんてありえない。


そう、哲平はそんな事しない。


そう自分に言い聞かせながら、一歩一歩と進んでいく二人の後ろ姿を眺める。


そして…


二人は1件のホテルの中へと消えて行った。


頭を鈍器で殴られたような衝撃。


あたしはその場にしゃがみ込んだ。


何で…?


どうして…?


胸が苦しい。


息が上手く出来ない。


何で…?


何でよ、哲平…


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