oneself 後編
真実
家に着くと、あたしは風呂場に直行した。
熱いシャワーを頭から浴びる。
こんな記憶、流れてしまえばいいのに。
いや、あんな事実ごと、流れればいい。
そんなありえもしない事を考えている自分がおかしくて。
また鼻で笑った。
お風呂からあがると、少し冷静さを取り戻し、奈美にメールを送った。
「いきなり帰ってごめんね」、と。
奈美からは、「大丈夫だよ」、と返事があった。
何も聞かずにいてくれる奈美の優しさに、目が潤んだ。
そういえば、あんなショックな事があったのに、あたしは泣かなかった。
不思議。
心臓が止まるかと思うほどの事実を目の前にした時、人は泣くのさえ忘れてしまうのかも知れない。
そんな事を思った。
哲平の事は、考えたくなくて。
友達の事を思い浮かべた。
幸子はもう落ち着いたようで、「今は仕事が生きがいだ」、そう言っていた。
香や奈美も、辛い恋愛を経て、すごく大人になったような気がする。
あたしは…?
結局、哲平の事に辿り着いた。
そんな自分にうんざりしながらも、あたしはゆっくりとベッドの中に潜り込んだ。
熱いシャワーを頭から浴びる。
こんな記憶、流れてしまえばいいのに。
いや、あんな事実ごと、流れればいい。
そんなありえもしない事を考えている自分がおかしくて。
また鼻で笑った。
お風呂からあがると、少し冷静さを取り戻し、奈美にメールを送った。
「いきなり帰ってごめんね」、と。
奈美からは、「大丈夫だよ」、と返事があった。
何も聞かずにいてくれる奈美の優しさに、目が潤んだ。
そういえば、あんなショックな事があったのに、あたしは泣かなかった。
不思議。
心臓が止まるかと思うほどの事実を目の前にした時、人は泣くのさえ忘れてしまうのかも知れない。
そんな事を思った。
哲平の事は、考えたくなくて。
友達の事を思い浮かべた。
幸子はもう落ち着いたようで、「今は仕事が生きがいだ」、そう言っていた。
香や奈美も、辛い恋愛を経て、すごく大人になったような気がする。
あたしは…?
結局、哲平の事に辿り着いた。
そんな自分にうんざりしながらも、あたしはゆっくりとベッドの中に潜り込んだ。