oneself 後編
「今から行くよ」
閉店後、ロッカーで着替えながら、哲平にメールを送る。
そう、今日はバレンタインデー。
チョコ以外のプレゼントは、何にしようか散々考えた。
結果、あたしは何も買わずに、お店で使う事に決めた。
財布に入っている数十万を。
今までそんな金額は、哲平のお店で使った事はない。
でも哲平が一番喜んでくれるのは、これだと思ったから。
早くナンバー1になって、ホストを辞めて欲しい。
そんな思いを胸に、哲平のお店に向かった。
時刻は1時半。
普通なら1部と2部の間の時間だが、イベントという事もあり、営業は通しでやっているようだ。
先月のオーナーのバースデーイベントの時も、ヒナタさんに連れられてやって来たのはこれくらいの時間だったっけ。
ビルの下で連絡をすると、間もなくして、哲平がやって来た。
「ごめんな、こんな日に時間作れんくて」
開口一番、そう謝る哲平は、あれ以来、何だかあたしに気を遣っている。
同伴、アフターの際には、必ず誰とどこへ行くか知らせてくれるようになった。
あたしがそれを望んだ訳ではなく、哲平自らそうしてくれるのだ。
でも、そんな哲平の気持ちは嬉しかった。
高校時代、いつだって不安を吹き飛ばしてくれた。
あの頃を思い出すから。
もちろん、あの事実が胸の中から消えた訳ではない。
でも、あれ以来、あの子とはお店でしか会ってないのも、少しは落ち着いていられた理由かも知れない。
閉店後、ロッカーで着替えながら、哲平にメールを送る。
そう、今日はバレンタインデー。
チョコ以外のプレゼントは、何にしようか散々考えた。
結果、あたしは何も買わずに、お店で使う事に決めた。
財布に入っている数十万を。
今までそんな金額は、哲平のお店で使った事はない。
でも哲平が一番喜んでくれるのは、これだと思ったから。
早くナンバー1になって、ホストを辞めて欲しい。
そんな思いを胸に、哲平のお店に向かった。
時刻は1時半。
普通なら1部と2部の間の時間だが、イベントという事もあり、営業は通しでやっているようだ。
先月のオーナーのバースデーイベントの時も、ヒナタさんに連れられてやって来たのはこれくらいの時間だったっけ。
ビルの下で連絡をすると、間もなくして、哲平がやって来た。
「ごめんな、こんな日に時間作れんくて」
開口一番、そう謝る哲平は、あれ以来、何だかあたしに気を遣っている。
同伴、アフターの際には、必ず誰とどこへ行くか知らせてくれるようになった。
あたしがそれを望んだ訳ではなく、哲平自らそうしてくれるのだ。
でも、そんな哲平の気持ちは嬉しかった。
高校時代、いつだって不安を吹き飛ばしてくれた。
あの頃を思い出すから。
もちろん、あの事実が胸の中から消えた訳ではない。
でも、あれ以来、あの子とはお店でしか会ってないのも、少しは落ち着いていられた理由かも知れない。