oneself 後編
日曜日。


明るい日差しが差し込む中、携帯の時刻を覗き込んだ。


本当はもう少し寝ていようと思ったけれど、今から数時間後の事を思うと、眠気はどこかへ消えてしまって。


あたしは大きく伸びをすると、ゆっくりとベッドから下りた。


そして、いつだったか忘れたけれど購入した、アルバムの13番目の曲を流し、卒業式のアルバムを捲った。


今の現状を知らない、未来に胸を膨らます、みんなの笑顔。


その中で、ただただ幸せそうに笑うあたし。


いつまで遡れば、幸せな未来に辿り着く事が出来る?


あの日、哲平の後を追いかけなければ良かった?


サイトを見なければ良かった?


哲平のお店には行かなければ良かった?


キャバクラじゃないバイトを選べば良かった?


そして。


あの日、奈美を置いてでも、哲平の元に向かっていれば…


こんな風にはならなかった?


その答えは未だに分からない。


でも。


過去を嘆いたって、もう何も戻ってこない。


本当に純粋に未来を語り合ったあの頃のあたし達には、もう戻れない。


それどころか、あたし達はどんどん変わっていくばかりだ。


ポタポタとフローリングの床に垂れる涙。


あたしはそれを袖で拭い、キュッと唇を噛み締めた。


そして、もうこれ以上涙がこぼれ落ちないように、天井を見上げながら、大きな溜息を洩らした。


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