oneself 後編
哲平は最後の最後まで、あたしの手を握っていた。
あたしはそっと哲平を引き離し、ゆっくりと立ち上がる。
そして、その手を振りほどいた。
「バイバイ」
今までで一番の笑顔で、さよならを告げる。
いつかあたしの事を思い出す時。
不安で曇った顔よりも、嫉妬で歪んだ顔よりも。
笑顔のあたしを浮かべて欲しいから。
部屋の扉をゆっくりと引く。
その背中に。
哲平の声が聞こえた。
「俺はお前と結婚するから…」、と。
あたしはそっと哲平を引き離し、ゆっくりと立ち上がる。
そして、その手を振りほどいた。
「バイバイ」
今までで一番の笑顔で、さよならを告げる。
いつかあたしの事を思い出す時。
不安で曇った顔よりも、嫉妬で歪んだ顔よりも。
笑顔のあたしを浮かべて欲しいから。
部屋の扉をゆっくりと引く。
その背中に。
哲平の声が聞こえた。
「俺はお前と結婚するから…」、と。