oneself 後編
彼に促され、奥へと足を進める。
あたし達がソファーに座ったのを確認すると、彼はまたすぐにノートに向かった。
「今日さ、未来ちゃんの事話したら、指名のお客さんが、友達連れて来てくれるって」
隣で翼が携帯を開きながら、嬉しそうに話す。
あたしは落ち着きなく店内を見回しながら、「へえ〜」とだけ返した。
今後の面接、その後の仕事。
それらを考えると、胃が痛くなってきた。
面接で落ちたりしないだろうか。
落ちたら落ちたで、ホッとする気もする。
でも、君には無理だよ。
なんて言われてしまったら、やっぱり凹んじゃうだろうな。
それでもあたしは、この場に自分は不釣り合いな気がしてならなかった。
不安と後悔とで揺れる中、男性スタッフの切れの良い挨拶が耳に届く。
「おはようございます!」
来たんだ…
心臓がドキドキと脈を打つ。
「店長、おはよう」
隣で翼が言うのと同時くらいに、あたしはスクッと立ち上がり、頭を下げた。
「そんなにかしこまらんくてもええって」
フッと笑いながら、ソファーにゆっくりと腰をおろす、店長と呼ばれるその男。
グレーのストライプのスーツ、ワイン色のカッターシャツ、山吹色のネクタイ。
ガッチリとした体型で、サングラスをかけている彼の風貌に、ますます緊張が高まった。
あたし達がソファーに座ったのを確認すると、彼はまたすぐにノートに向かった。
「今日さ、未来ちゃんの事話したら、指名のお客さんが、友達連れて来てくれるって」
隣で翼が携帯を開きながら、嬉しそうに話す。
あたしは落ち着きなく店内を見回しながら、「へえ〜」とだけ返した。
今後の面接、その後の仕事。
それらを考えると、胃が痛くなってきた。
面接で落ちたりしないだろうか。
落ちたら落ちたで、ホッとする気もする。
でも、君には無理だよ。
なんて言われてしまったら、やっぱり凹んじゃうだろうな。
それでもあたしは、この場に自分は不釣り合いな気がしてならなかった。
不安と後悔とで揺れる中、男性スタッフの切れの良い挨拶が耳に届く。
「おはようございます!」
来たんだ…
心臓がドキドキと脈を打つ。
「店長、おはよう」
隣で翼が言うのと同時くらいに、あたしはスクッと立ち上がり、頭を下げた。
「そんなにかしこまらんくてもええって」
フッと笑いながら、ソファーにゆっくりと腰をおろす、店長と呼ばれるその男。
グレーのストライプのスーツ、ワイン色のカッターシャツ、山吹色のネクタイ。
ガッチリとした体型で、サングラスをかけている彼の風貌に、ますます緊張が高まった。