oneself 後編
「正直、最初はすごい不安でした。あたしなんかに出来るんかなって」


ようやく話し出したあたしは、きっとすごく真剣な顔をしていて。


そんなあたしに、店長も真剣に耳を傾けてくれていた。


「でも実際やってみて、今日はラッキーだっただけかも知れないけど。でも、指名をもらった時は、本当に嬉しくて」


一気にそこまで話し、あたしはもう一度大きく息を吸った。


「もう少し、続けてみたいと思いました」


そう、お金の事はもちろんだけど、あたしは今日で終わりではなく、もう少し頑張ってみたかった。


続ける事によって、何かが変わる気がしたから。


店長は少しびっくりしたような顔で。


でも、それは次第に笑顔に変わった。


「そうか、良かった。じゃあこれからも、うちのお店で頑張ってくれるって事でOK?」


「はい、よろしくお願いします!」


あたしは決めた。


それが3日なのか、1週間なのかは分からないけれど。


とにかくお金が落ち着くまでは、ここでやってみようと。


そして礼をして、店長の元を去ろうとした時だった。


「今日は2本も場内指名取ってたな。初めてやのにすごいで。これからもその調子で頑張ってな」


店長は笑顔で、そう言ってくれた。


「はい!」


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