oneself 後編
翼の好きな人
「お疲れ様〜」
お店から歩いて数分の所にある居酒屋。
翼の生ビールのジョッキと、あたしのカシスオレンジのグラスが、カチンと音をたてる。
お酒は好んで飲む方ではない。
一時はビール1杯で、少し気分が悪くなった。
なのに今、こうしてカクテルを飲んでいるのは、何となく気分が良かったから。
仕事を終えた達成感と。
そしてこれからの、未来に対する希望と。
仕事中から引き続き、もう何杯ものお酒を飲んでご機嫌になっている翼に、影響を受けたのもあるかも知れない。
甘酸っぱい口あたりの良いカクテルは、乾いた喉と疲れた体に、スーッと染み込んだ。
「どうだった、今日?」
店長と同じように、あたしに問いかける翼。
あたしはそれを、さきほどと同じように返した。
「そっかぁ〜、良かった〜」
返答までもが店長と全く同じで、思わず笑ってしまう。
それでも、翼なりにあたしを心配してくれていたのだろうと思うと、有り難かった。
そして、もう少し続けてみようと思っている事も付け加えた。
翼は「やったね!」と、喜んでいた。
お店から歩いて数分の所にある居酒屋。
翼の生ビールのジョッキと、あたしのカシスオレンジのグラスが、カチンと音をたてる。
お酒は好んで飲む方ではない。
一時はビール1杯で、少し気分が悪くなった。
なのに今、こうしてカクテルを飲んでいるのは、何となく気分が良かったから。
仕事を終えた達成感と。
そしてこれからの、未来に対する希望と。
仕事中から引き続き、もう何杯ものお酒を飲んでご機嫌になっている翼に、影響を受けたのもあるかも知れない。
甘酸っぱい口あたりの良いカクテルは、乾いた喉と疲れた体に、スーッと染み込んだ。
「どうだった、今日?」
店長と同じように、あたしに問いかける翼。
あたしはそれを、さきほどと同じように返した。
「そっかぁ〜、良かった〜」
返答までもが店長と全く同じで、思わず笑ってしまう。
それでも、翼なりにあたしを心配してくれていたのだろうと思うと、有り難かった。
そして、もう少し続けてみようと思っている事も付け加えた。
翼は「やったね!」と、喜んでいた。