†危険な男†〜甘く苦い恋心〜

慎重に、慎重に歩みを進めていく。




どこから犯人が飛び出してくるかは分からない。




あたしは静かに息を吐いた。




その時。




「――樹里っ!!」




??




後ろから廉の大声がした。




あたしはびっくりして振り向く。



気付けば、あたしは廉に強く引っ張られていた。




――ババババッ!!




何かが連射される音がする。




すぐ傍の壁を見ると…何ヵ所にも空いた穴。




……銃弾の痕だ。




しかもたった今、付いたばかりの……。




「あ、ありがとっ…廉」




良かった…。
廉が助けてくれていなかったら…あたし、確実に死んでたよ。




「あぁ。ったく…この近くにもいるんだな。かなり散らばってんじゃねぇか……」




廉は困った顔をし、あたしを離した。




< 103 / 241 >

この作品をシェア

pagetop