†危険な男†〜甘く苦い恋心〜
守り抜く愛
きっと敵はもう、すぐそこ。
あたしの直感がそう言ってる。
だからこそ気を付けなきゃいけないのに…廉はお構い無しにズンズンと進んでいく。
「ちょっと、廉。たぶん近くに敵がいるから気を付けて……」
「分かってる。俺はお前より年上だぞ?それくらい、わきまえてるに決まってるだろ。」
廉は偉そうにそう言って、また歩き出す。
はぁ。
顔は美形なのに、こう口が悪いとホント信じられないよね。
あたしを抱いた時は、驚くくらい優しかったくせに。
あたしは心の隅でそう思った。
そんなことを任務中に考えていたバチが当たったのか…
いきなり銃声が響いた。
――バンッ!!
その音はかなり近くに聞こえた。
あたしは素早く前を向き、廉に呼び掛けようとした。
――なのに。