†危険な男†〜甘く苦い恋心〜
「……っ…くっ…」
「れ、廉!!」
嘘…でしょ?
廉が、撃たれた。
あの廉が?
「樹里っ…!早く死角に逃げろ!撃たれちまうぞっ……」
廉は撃たれた右腕を押さえながらも、あたしを犯人から死角に入る場所に逃げさせる。
「廉、あたしのことはいいから逃げて。ここはあたしが片付ける」
「馬鹿言え。お前1人じゃどうにもならねぇだろが……無茶しようとするな」
廉は鋭い目付きであたしを見る。
けど…あたしは怯まなかった。
廉には早く逃げて欲しい。
腕、撃たれてるんだよ?
早く手当てしなきゃ、これから先…仕事が続けられなくなる。
そうなったら…チームもかなり大ダメージを受ける。
廉みたいな優秀な隊員が抜けてしまったりしたら。
「廉……早く行って。怪我してるのよ?」
「これくらいどうってこと……っつ…」
あたしはわざと廉の腕を叩いた。