†危険な男†〜甘く苦い恋心〜
「樹里、お前……」
「ほら、やっぱり痛むんじゃない。無茶しないではこっちの台詞よ」
あたしは持っていた銃の紐で廉の腕を止血する。
「とにかく…ここはあたしに任せて。お願いだから」
「だが……」
「廉、早く。じゃないと……きゃっ!」
いきなり後ろから手首を掴まれた。
何が起きたのか…分からなかった。
「樹里!大丈夫か!?キサマッ…」
廉はあたしの後ろにいる人物を睨み付けている。
誰なの?
犯人に間違いはないけど…。
「ははは……大人しくしろ。じゃねぇと、この女の命はねぇぞ」
ガチャ、とこめかみに銃口を当てられた。
最悪だ…。
捕まってしまった。
あたしは動きたくても動くことが出来なかった。
今、動けば…あたしはこのまま確実に撃ち殺される。
でも…廉も怪我をしている。
……どうすればいい?