†危険な男†〜甘く苦い恋心〜
「じゃあさっそくしましょうか。離してくれる?」
「おう。そうだな」
男はあっさり手を離した。
……馬鹿め。
ホンットに馬鹿ね、あんたは。
――バキッ!!
あたしは勢い良く、犯人に右ストレートを放った。
「ぐあっ!テ、テメェ……!!」
犯人はキレたのか、あたしを鋭く睨み付けてくる。
「おい、お前」
後ろから声がして、あたしはホッとした。
「……人の女に軽々しく触りやがって…死んでろ!!」
廉は大声で犯人を罵り、足蹴りをくらわせた。
犯人は痛みのあまり、声が出ないのか痙攣している。
……いい気味じゃない。
あたしを犯そうとした挙げ句、廉を殺そうとしたんだから。