†危険な男†〜甘く苦い恋心〜
「あ……あ………」
気が動転しているのか、答えられないみたいだ。
中には安心したのか、泣き出す子もいた。
そりゃそうだよね。
銃持った男に監禁されてたんだから。
あたしは優しく背中を擦り、
「大丈夫よ。もう、大丈夫。」
そう言い聞かせた。
そして気を取り直すと、あたしは司令官に無線を繋ぐ。
「こちらSAT1、宮崎。人質を全員保護しました。雨宮も無事です。これから撤収します」
『了解。』
司令官の返事を聞き、あたしは無線を切った。
「樹里、引き上げるぞ」
廉は犯人を無理矢理立たせた。
「うん、分かった。」
あたしは人質の子達を誘導し、廉の後ろを歩いた。