†危険な男†〜甘く苦い恋心〜
「あ……廉?あたし…」
『樹里?どうした?』
廉は優しい声でそう聞いてくれた。
あぁ、どうしよう。
泣きそうだよ…。
「ん…なんか…声が聞きたくなっちゃって……」
『ははっ。なんだそれ。可愛いな、樹里は』
廉はクスクスと笑う。
……もうダメ。
会いたい。会いたい。
「……廉…」
『なんだ?』
「……今から…会えない?」
あたしは小さく呟いた。
時間を見ると、夜の10時。
どう考えても…非常識な時間。
けど…今日はどうしても会いたい。
今日会えなければ…
あたしは明日、生きれないような気がした。