†危険な男†〜甘く苦い恋心〜
『樹里……』
「お願い…非常識だって分かってるの。……けど…会いたい。どうしても、会いたい…」
あたしはギュッと唇を噛み締める。
お願い。
伝わって……。
『……分かった。これから迎えに行くから。俺ん家でも大丈夫か?』
廉は優しく了解してくれた。
「うん…大丈夫。ありがとね?廉…ワガママ聞いてくれてありがとう……」
『可愛い彼女のワガママなら、いくらでも聞いてやるよ』
廉はフッと笑った。
彼の家に行けば……抱かれることくらい分かってた。
最初から…それが目的だったのかもしれない。
彼の熱をあたしの体に刻み付けて……
明日、あの男に何されてもいいように…廉をあたしに刻み付ける。
……廉だけを。