†危険な男†〜甘く苦い恋心〜
「れ、ん…?」
急な抱擁にドキドキする。
逞しい腕に包まれ…あたしの心臓は爆発寸前だ。
「……樹里…なんかあったんだろ?」
「……っ…!な…」
あたしはビク、と反応した。
なんで…?
なんで、気付かれたの?
「だってさ…なんか今日のお前、変だぞ?見るからによそよそしいっつうか……」
「…………」
「何かあったんなら話せ。話すだけでも楽になるだろ。」
廉はあたしを少し離し、目を見て言った。
いつも以上に真剣な瞳に…目が逸らせない。
「……廉…あのね…?」
「あぁ」
あたしは小さく話し出した。