†危険な男†〜甘く苦い恋心〜
許せない人間
――そして翌日。
あたしは廉と一緒に実家に帰ることになった。
あたしがどれだけ“大丈夫だよ”って言っても廉は聞いてくれなかった。
きっと、義父のことがあったから…心配してくれてるんだね。
またあたしがあの男に何かされないか…気に掛けてくれてるんだ。
……優しすぎるよ、廉。
「樹里、ナビの設定これでいいか?」
廉はナビを指差し、あたしに聞いてきた。
「あ、うん!大丈夫!行こっか」
あたしはナビを確認し、廉にOKを出した。
廉はニコッと微笑み、車を発進させた。
お母さんには昨日、言っておいた。
“彼氏も連れていくから”って。
お母さんは、かなりびっくりしてたみたいだけど(笑)。