†危険な男†〜甘く苦い恋心〜
あたしは廉と一緒に玄関に立つ。
そしてフー…と息を吐き、インターホンを鳴らす。
ピンポーン…
インターホンを鳴らした指が震えた。
廉はあたしの背中を優しく撫でてくれていた。
そしてしばらくして玄関が開いた。
「あら樹里!早かったわね。あ…あなたが…?」
出てきたのはお母さんだった。
お母さんはすぐに廉を見た。
「初めまして。樹里さんとお付き合いさせて頂いてます、雨宮廉と申します」
廉は丁寧に自己紹介をし、頭を下げた。
「あらあら、初めまして〜!樹里の母です。さ!上がって上がって♪」
お母さんはニコッと微笑み、あたし達を中に促した。
廉は優しく笑い、“行くか”と言った。
あたしはコクリと頷き、彼に寄り添いながら中に入った……。