†危険な男†〜甘く苦い恋心〜
「俺は樹里さんと同じで警視庁の特殊部隊に所属してます」
廉は何の躊躇いもなしに、そう答えた。
えっ…?
廉……普通に言った?
「あらまぁ!そうなの?じゃあ樹里と会ったのも……」
「はい。俺が樹里さんと同じ部署に配属になった時に知り合いました。その時から、俺はもう樹里さんに惹かれていました」
「れ、廉っ…////!」
廉の言葉に恥ずかしくなって、あたしはギュッと廉の腕を握った。
な、なんか照れ臭いよ…////
「あらあら〜♪♪なんだかとても素敵な男性ね!樹里にはもったいない気がするわ〜♪♪」
「お、お母さん…////」
お母さんは年甲斐もなく、はしゃいでいる。
もう!
自分の親がこういうの…ホント恥ずかしい…////!
廉は気にせず、明るくお母さんと話してくれている。
そんな空気にあたしも少し落ち着き始めた頃。
……アイツは来た。
「――…樹里…か?」
ドクンッ…。
後ろから聞こえた低い声。
この声を…あたしが忘れるハズがない。
あたしはゆっくりゆっくり振り返った……。