†危険な男†〜甘く苦い恋心〜
疼く傷口
「……樹里」
部屋に入ると、中心に義父が立っていた。
ドクンと鳴る心臓。
震えそうになる体。
落ち着け、あたし。
落ち着くんだ。
「……とにかく…座ってよ」
あたしはクローゼットから折り畳み式の椅子を出し、義父に渡した。
「あ、あぁ…すまない。」
義父はあたふたしながら、あたしから椅子を受け取る。
義父が椅子に座ると、あたしもベッドに腰掛けた。
あたしはハー…と息を吐き、気持ちを落ち着かせた。
そして…ゆっくりと口を開く。
「……あたしは…あんたに犯され続けた。5年間。」
あたしが低くそう呟くと、義父はビクッと反応した。