†危険な男†〜甘く苦い恋心〜
「樹里、どうした?震えてるぞ…?」
あたしの体の異変に気付いたのか、廉がスッとあたしから体を離した。
「ううん…。何でも、ないよ?」
あたしは廉の目を見ずに言った。
廉に…変に勘づかれたくないよ。
「樹里、俺の目を見ろ。」
廉はクイッとあたしの顎を掴み、顔を上げさせた。
瞬時、重なり合う視線。
あたしは視線を泳がせた。
「……樹里。俺はお前から離れて行ったりしない。何があってもだ」
廉は優しくそう囁く。
それと同時に、あたしの瞳から大粒の涙が溢れ出した。
「どうした?俺、なんか言ったか?」
廉はあたしの髪を優しく撫で、再び自分の胸に抱き寄せてくれた。
「……っ、好き…好きなの…。廉が……大好き………っ…」
グッと助手席のシートに押し付けられ、唇を奪われる。
「ん……や…」
クチュ、と音を立てて舌が絡み合う。
呼吸が苦しくなって、廉の胸を押し返そうとしても…優しく指を絡められれば……もう抵抗なんて出来っこない。
あたしはただ…彼に溺れていく。