†危険な男†〜甘く苦い恋心〜
「……っ…んぅ…」
グッと俺と指を絡ませ、快楽に顔を歪める1人の女。
ギシッとベッドが軋む度、甘い女の吐息が寝室に響く。
「樹里……」
俺は世界で一番大切で、愛しい女の名前を呼んだ。
白くてきめ細かい、綺麗な肌。
女らしい華奢な体つき。
抱き心地の良い、柔らかな体。
樹里を抱いている間は…心が落ち着いていられる。
気持ちが安らぐ。
「……れ、んっ…」
ふいに名前を呼ばれ、俺は樹里を優しく見下ろした。
「どうした?」
俺は汗で顔に張り付く樹里の髪を優しく避けた。
彼女の綺麗な瞳からポロリと涙が溢れてきた。
きっとこの涙は悲しくて流してるんじゃない。
俺が与える快楽に耐えきれず、流している涙だ。
「樹里…辛いならやめるか?」
いつも彼女を気遣って言う、この言葉。
もちろん本心ではあるが…
実際のところ、ここまで来て止められる自信など……ない。