†危険な男†〜甘く苦い恋心〜
樹里は弱々しく、小さく首を横に振った。
「……イヤ…やめ、ないでっ…」
最後に残っていたであろう、力を出し、俺の首にしがみ付いてくる。
愛しい。
離せない。
俺は……理性を飛ばした。
「…っ、あ…ャ…!」
再び動き出した俺に、樹里はビクンッと体を反応させた。
彼女が身じろぐ度、シーツが乱れていく。
自身を彼女に打ち付ける度、ギシッとベッドが激しく軋む。
冷静になれよ……俺。
俺の律動に揺さぶられる樹里の綺麗な体や、顔を見て……自分にそう言い聞かせた。
「やぁっ…廉…!あたし…変に、なりそ……ンンッ」
「…っ……なれよ。そのまま俺のせいで、おかしくなって…」
俺は締め付けられる自身に、顔を歪めながら囁いた。
樹里の瞳からは溢れる涙は、止まらなくなっていた。
そんな彼女が無性に愛しくなり、ギュッと抱き締める。
ぴったりと密着する汗ばんだ肌が心地よかった。