†危険な男†〜甘く苦い恋心〜
――事件現場。
現場に着くと、あたし達は装備をバスから運び出す。
早くしないと…人質の命が危ない。
あたしは……焦っていた。
武器を運び終え、全員が司令官の回りに集まった。
「これから配置について説明する。まずはSAT1、宮崎、岡田!お前達は窓を割って中に突入しろ。後からそちらに雨宮を向かわせる」
「「了解!」」
司令官は次々と配置場所を説明し、ついに突入準備に入った。
「宮崎、頑張ろうな。絶対に人質を助けるぞ」
「うん!頑張ろう!!」
あたしと岡田くんはグーをすると、拳をぶつけ合った。
銃を担ぎ、配置場所に付く。
他の隊員もそれぞれの場所に付いている。
あたし達は様子を見計らって、中へと突入する。
中を見ると……倉庫の真ん中に、1人の女性がいる。
そしてその女性を囲むようにして2人の犯人がいる。
おまけに銃まで構えて。
「……宮崎。俺がガラスを割るから、その瞬間に中に突入してくれないか?」
「岡田くんがガラスを?」
あたしが聞き返すと、岡田くんはコクリと頷いた。
「迷ってる暇はない。俺がガラスを割っているのに気を取られて、犯人は油断するハズだ。きっと上手くいく」
そっか…。
成る程ね。
「分かった。さっそくやろう!」
「おう」
お互いに和解すると、岡田くんはガラスに向かって勢い良く拳を振り上げた。
――ガシャン!!
ガラスが大きな音を立てて割れた。
その瞬間、あたしは勢い良く中に突入した。