†危険な男†〜甘く苦い恋心〜
「――いってぇ〜!!」
え……?
あたしは驚いて犯人を見た。
見てみると…あたしを掴む犯人の腕を捩り上げている、アサルトスーツ姿の男性……。
「れ……廉っ!!」
あたしは愛しい人の名前を呼んだ。
「大丈夫か?樹里。」
廉はグイッと犯人をあたしから引き離し、床に捩じ伏せる。
「大人しくしてるのはお前の方だ、新山。」
「んだよっ…離せや!!」
新山…?
廉、知ってるの…?
「お前はまた同じ過ちを繰り返す気か?いちいち面倒を掛けるな」
「…っるせぇな!テメェに関係ねーだろ!!」
“新山”と呼ばれた男は廉に大声で怒鳴り付ける。
廉は眉間に皺を寄せ、新山の手首に手錠を掛ける。
「馬鹿か、お前は。」
廉は新山を嘲笑うと、無理矢理立たせた。