†危険な男†〜甘く苦い恋心〜
「れ、廉っ…!岡田くんがっ……」
「あぁ、分かってる。すぐに運ぶぞ」
廉は犯人をあたしに任せ、岡田くんに肩を貸して歩き出す。
後ろを見ると、他の隊員達が人質の確保と残りの犯人の逮捕をしていた。
工場を出ると、廉は来ていた救急車に岡田くんを連れていく。
岡田くんは未だに意識を戻さず、目を瞑ったまま。
出血量も酷い。
「かなりの重症だ。頼む」
「はいっ!分かりました!!」
救急隊員の人に岡田くんを任せ、救急車が走り出した。
あたしは気が気じゃなかった。
あたしのせいで岡田くんが…。
どうしよう。
あたしのせいで…。
「樹里、大丈夫か?」
廉が震えるあたしの肩を優しく抱いた。