†危険な男†〜甘く苦い恋心〜
無力な自分
――岡田くんが怪我をした。
それも…あたしを庇ったせいで。
あの時、あたしがもっとちゃんと回りに注意していたら…
もっと早く反撃できていたら…
岡田くんはこんな目に遭わずに済んだのに……。
あたしの頭の中はそれだけだった。
――病院。
着くと、みんなで院内に入る。
回りの患者さんからの視線を凄く感じるけど……今はそんなこと、どうだっていい。
心配なのは……岡田くんの容態。
手術室の前に着き、立ち尽くす。
あたしはギュッと活動服を握り締めた。
ごめんね、岡田くん。
あたしのせいで……。
泣きそうになっていると、フワリと優しく肩を引き寄せられた。