†危険な男†〜甘く苦い恋心〜
「樹里」
「……廉…」
廉はあたしをすぐ横にあった長椅子に座らせる。
「樹里、大丈夫だ。岡田は絶対に助かる。先に逝ったりはしない」
「……ん…」
廉の言葉に泣きそうになる。
するとまた横から声がした。
「樹里、雨宮くんの言う通り…この事故はあなたのせいじゃないわ。だから気にしなくていいのよ」
「美姫さん…」
「もう、あなたはすぐに1人で抱え込むんだから。雨宮くん、ちゃんと見てあげててよ?あたしの可愛い娘を」
美姫さんはクスクスと上品に微笑む。
廉は“はい”と美姫さんに微笑んだ。
「宮崎、しっかりしろよ。心配なのはお前だけじゃないんだからな」
司令官が腕組みをしながら、あたしにそう言う。
あたしは涙を拭いながら“はい”と返事をした。
ありがとう…みんな。
あたし、すごく救われたよ。