†危険な男†〜甘く苦い恋心〜
「……宮崎樹里と申します」
「……やっぱり。そうじゃないかと思っていたわ」
岡田くんのお母さんは優しく微笑んだ。
え…?
あたしは目を丸くした。
やっぱりって…どういうこと?
隣を見れば廉もびっくりしている。
「あ、あの…どういうことでしょうか……」
「あら、ごめんなさいね。ついつい……」
フフッと上品に笑う岡田くんのお母さん。
「実はね…優真、実家に帰ってくる度、あなたのことを話してくれていたのよ。女性なのにとても強い隊員がいるって。しかもその子は中身も素敵で外見もとても綺麗だって……。ふふ、樹里さん。やっぱり実物も綺麗だわ」
岡田くんのお母さんは満足そうにあたしを見る。
あたしはどうしていいか分からず、俯いてしまう。
「樹里さん。」
優しい声で名前を呼ばれ、あたしは顔を上げた。
「はい…」
「今回の事故はあなたのせいではないわ。あなたは自分を庇ったせいで……って言ってたけど…あなたを守ったのは、きっとあの子の意思だから。自分の好きな女の子を守りたかったのよ、優真は」
好きな……女の子。
あたしが……?