†危険な男†〜甘く苦い恋心〜
――病院を出ると、あたし達は署に向かった。
まだ活動服のままだったので、着替えなくちゃならない。
あたしは更衣室に入ると、活動服を脱ぎ捨て、下着姿になった。
鍵掛けたし、大丈夫だよね。
ロッカーから私服用の下着を取り出す。
着替えてる最中も…頭の中は岡田くんのことでいっぱいだった。
岡田くんは今回の事故で…あたしを庇って大怪我をした。
みんなあたしは悪くないって言うけど……
あたしには到底そうは思えない。
あたしがもっと注意していたら…岡田くんは無事だった。
きっと…そうだった。
着替えを済ませ、あたしはその場に立ち尽くした。
「……どうすれば…償えるのかな」
そう、償い。
何もしてあげられないから…せめて償いだけでも……
あたしはそう考えたのだ。