†危険な男†〜甘く苦い恋心〜
「っ、何すんの!離してっ…」
あたしは廉を突き飛ばした。
あたしだって…もっと触れ合っていたかったけど……
無理なものは無理だ。
「ふっ、んなこと言ってられんのも今のうちだ。覚悟しておけ」
フッと不適な笑みを浮かべ、廉はあたしの唇にキスをした。
「……っ!やっ…」
「じゃあな。……樹里」
廉はあたしをギュッと抱き締め、オフィスに戻っていった。
廊下に1人、残されたあたし。
……卑怯だよ、あんなの。
キスに、抱擁。
全部全部……付き合っていた時と変わるハズもなかった。
岡田くんからあたしを奪う。
やめてよ、廉…。
あたしは…もう……。
「……行こう」
あたしはポツリと呟き、オフィスに足を向ける。
そして…あたしは決めた。
岡田くんに…告白すると。