†危険な男†〜甘く苦い恋心〜
「……んぁっ…」
触れるだけのキスから、深く絡まるキスに変わる。
あたし…何してるんだろう。
好きでもない人と…こんなことしたりして。
もしかしたら…こんなことしたって、最終的には優真を傷付けるだけかもしれない。
あたしが…廉を嫌いにならない限り。
「……樹里、俺の彼女になってくれるの?」
優真はギュウとあたしを抱き締め、そう耳元で囁いた。
あたしは…小さく首を縦に振った。
「……今日から優真は、あたしの彼氏…だよね?」
あたしは優真を上目遣いで見た。
優真は少しだけ頬を赤くし、
「当たり前だよ。今日から…よろしくな、樹里」
優しく抱き締められて…あたしは静かに目を閉じた。
あたしは…今日から優真の彼女。
そう。
もう……
廉の彼女ではないんだ……。